過去形が聞き取れない。複数形に気づかない。これは語彙の問題ではなく、語尾の発音ルールを音として知らないことが原因です。-ed を「エド」、-s を「ス」と覚えていると、実際の音と一致しません。
-ed は3通り。「エド」は存在しない
判定は直前の音だけで決まります。上の図のとおりです。
直前が t または d のとき → /ɪd/。wanted(ウォンティッド)、needed(ニーディッド)。このときだけ音節が1つ増えます。
直前が無声音(p, k, f, s, sh, ch)のとき → /t/。asked(アスクト)、stopped(ストップト)、watched(ウォッチト)。音節は増えません。
それ以外(母音や有声子音)のとき → /d/。called(コールド)、moved(ムーヴド)、planned(プランド)。これも音節は増えません。
ここで重要なのは、/t/ と /d/ はほとんど聞こえないという事実です。特に次の語が子音で始まると、脱落して完全に消えます。asked for は「アスフォー」、moved to は「ムーヴトゥ」。過去形だと気づく手がかりは、音ではなく文脈になります。
-s も3通り
複数形と三人称単数の -s も同じ構造です。
| 直前の音 | 発音 | 例 |
|---|---|---|
| s, z, sh, ch, ge など | /ɪz/ イズ(音節が増える) | pages, watches, changes |
| 無声音 p, t, k, f | /s/ ス | stops, meets, weeks |
| それ以外(有声音) | /z/ ズ | details, numbers, questions |
日本語話者は -s をすべて「ス」と発音しがちですが、実際には details は「ディーテイルズ」、numbers は「ナンバーズ」です。自分が「ス」と発音していると、/z/ の音を聞いても -s と結びつきません。
なぜこれが聞き取りに効くのか
語尾は、英語では情報の塊です。-ed は時制を、-s は単複と主語の人称を担っています。ここを取りこぼすと、「いつの話か」「何個あるのか」が分からなくなります。
そして語尾は、弱く短く発音されるうえに、次の語とつながったり消えたりします。つまり最も情報量が多い部分が、最も聞こえにくいという構造になっています。だからこそ、意識して拾いに行く必要があります。
練習のしかた
ディクテーションで答え合わせをするとき、語尾の間違いだけを別に数えてみてください。suppose と書いて supposed が正解だった、detail と書いて details が正解だった。こうした1文字の差が繰り返し出るなら、それがあなたの弱点です。
当サイトの採点は単語単位で比較するので、suppose[d] のように、語尾だけが足りない場合は色を変えて表示します。惜しい間違いと、まったく聞き取れていない箇所を区別できます。