アメリカ英語に慣れた人がイギリス英語を聞くと、別の言語に感じることがあります。逆も同じです。違いには規則があり、ポイントを押さえれば両方に対応できます。
仕事で英語を使う場合、相手はアメリカ人やイギリス人とは限りません。インド、シンガポール、ヨーロッパなど、さまざまな英語に接することになります。どれか1つに慣れすぎないことが実務では重要です。
発音で変わる3つのポイント
r を発音するかどうか。アメリカ英語は car water work の r をはっきり発音します。イギリス英語(標準的な発音)では、母音の後の r はほとんど発音されません。water は「ウォータ」、car は「カー」で終わります。
t の扱い。アメリカ英語では母音にはさまれた t がら行の音に崩れます(better → ベラー)。イギリス英語では t をはっきり保つか、場合によっては喉で詰める音になります。
a の音。can't bath after のような語で、アメリカは「キャント」「バス」、イギリスは「カーント」「バース」に近くなります。
単語レベルで違うもの
| アメリカ | イギリス | 意味 |
|---|---|---|
| elevator | lift | エレベーター |
| vacation | holiday | 休暇 |
| resume | CV | 履歴書 |
| schedule(スケジュール) | schedule(シェジュール) | 予定 ※発音が違う |
| apartment | flat | アパート |
| cell phone | mobile | 携帯電話 |
ビジネスで紛らわしいのは table です。アメリカ英語で table a discussion は「議論を先送りにする」、イギリス英語では逆に「議題として取り上げる」という意味になります。参加者の出身が混ざる会議では、この語だけで認識がずれる可能性があります。
どちらで学ぶべきか
教材の数と情報量を考えると、アメリカ英語を軸にするのが現実的です。TOEICもアメリカ英語が中心で、イギリス、カナダ、オーストラリアの発音が混ざる構成になっています。
ただし、軸を決めることと、他を排除することは違います。どれか1つにしか耳が慣れていない状態が最も危険です。普段アメリカ英語で練習しているなら、ときどきBBCなどイギリス英語の音源に触れておくと、実務での対応力が上がります。
世界の英語に耳を慣らす
実際の仕事では、英語を母語としない相手と話すことの方が多いかもしれません。インド英語は音の調子が独特ですし、ヨーロッパ圏の話者はそれぞれの母語の影響を受けます。
共通して言えるのは、相手の発音に完璧さを期待しないことです。聞き取れないのは自分の力不足とは限りません。確認の一言を躊躇なく使えることの方が、発音の知識より実用的です。
当サイトの音声はアメリカ英語ですが、崩れた発音を含む形で収録しているので、きれいに読み上げた教材よりも実際の会話に近い練習ができます。